ROHM 先進車載メータークラスター用、2.8W大出力スピーカアンプ「BD783xxEFJ-M」を開発 自動運転やADASに必要とされる多様な音声の出力に最適
2020年2月20日
<要旨>

ローム株式会社(本社:京都市)は、自動運転やADAS機能搭載車に採用される車載メータークラスターパネル(以下、車載クラスター)に向けて、車載信頼性規格AEC-Q100準拠の2.8W出力AB級モノラルスピーカアンプ「BD783xxEFJ-M」(BD78306EFJ-M / BD78310EFJ-M / BD78326EFJ-M)を開発しました。
「BD783xxEFJ-M」は、ウィンカー音や警告音だけでなく、ウェルカムサウンド、音声サポートなど、多様な音を大音量で出力したい車載クラスター向けに開発されたスピーカアンプです。新方式の過電流保護回路を採用したことで、従来両立が困難だった出力短絡(不慮の端子接触による破壊)からの保護と、2.8W大出力を実現しました。
また、車載信頼性規格AEC-Q100に準拠し、最大動作温度105℃まで対応しているため、厳しい条件においても機能を損なうことなく音声を出力することが可能です。さらに、過電流保護に加えて温度保護、減電圧保護も搭載しており、異常状態から確実に保護できる高い信頼性を実現しています。
なお、本製品は2019年8月よりサンプル出荷(サンプル価格 300円/個:税抜)を行っており、2020年3月から当面月産2万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)になります。
今後もロームは、音の多様化が進む先進自動車分野に向けて高品質・高信頼性製品を開発し、安心・快適な車室内環境の構築に貢献していきます。
<背景>
近年、自動車分野では、自動運転やADASを始めとする技術革新により、車線逸脱時や周囲障害物検知時の警告音、エンジンスタート時のウェルカムサウンド、音声サポートなど、車室内で必要とされる音が多様化しています。それに伴い、車載クラスターで音を出力する部品も、ウィンカー音を発生するリレーや警告音を出力する電子ブザーに代わり、マイコンを通じて多様な音を出力できるスピーカアンプが採用されるようになりましたが、安全・安定に大音量を出力できないという課題がありました。


<新製品の特長>
1. 過電流保護を搭載した上で、2.8W大出力を実現
2. 車載用途の過酷な環境に対応できる高信頼性を達成

「BD783xxEFJ-M」は、車載信頼性規格AEC-Q100に準拠し、最大動作温度105℃まで対応しています。同時に、パワーパッケージの採用により、大音量出力時の発熱を低減することができるため、厳しい条件においても機能を損なうことなく音声を出力することができます。また、過電流保護に加えて温度保護、減電圧保護も搭載しており、異常発熱による破壊やバッテリー瞬断時の予期しないポップ音発生を防ぐことが可能です。
<サイプレス セミコンダクタ社のリファレンスボードに搭載>

「BD783xxEFJ-M」 は、サイプレス セミコンダクタ社の車載向けマイコンTraveo™ Cluster MCUファミリS6J3360シリーズの評価ボードに搭載されており、実使用に近い環境で簡単に評価可能です。
S6J3360シリーズの詳細は下記URLをご覧ください。